小児はりの適応症

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小児のチック

小児のチックと小児鍼

小児への鍼治療の様子その1
先ず言っておきたいことは、小児のチックは、ほとんどが一過性です。親が気にして注意したり、心配したりする事が、一番症状を長引かせます。気にしないで「いつか治る」と気楽に構えていて下さい。

チックの症状には運動性チックと音声チックがあり、それぞれに単純性と複雑性があります。単純性運動性チックは不自然な瞬き・顔しかめ・首ふり・肩すくめなど、複雑性運動性チックは物に触る、飛び上がるなどの症状が出ます。

単純性音声チックには咳払い・鼻鳴らしなど、複雑性音声チックには汚言(人前では言ってはいけない汚い言葉)・反響言語(人の言ったことを繰り返して言う)などがあります。

また、症状の持続が4週間以上12ヶ月未満の一過性チック、12ヶ月以上持続し、3ヶ月以上持続してチックが消失することがない慢性チック、慢性でかつ多彩な運動チックと音声チックが同時にあるトゥーレット障害に分類されています。

子供たちの多くは、成長過程の中で、わずかなチック症状を経験することが、よく知られています。運動性チックは、子どもの約10~20%に見られます。男児の方が女児よりも、3倍ほど多く見られるのも特徴的です。ほとんどは一時的なものですから、心配する必要はありません。

小児への鍼治療の様子その2
チックの発症は、2歳頃のこともありますが、最もよく見られ始める年齢は5~7歳です。この頃のチックの症状は、不自然な瞬きが一般的です。8~10頃になると、首振りや肩すくめが多くなります。ほとんどが単純性で、心配ないものと言われていますが、この期間の周りの接し方一つで、症状が長くなる危険性もあるということを心得ておきましょう。

チックの原因はよく分かっていませんが、脳内の神経伝達物質(ドーパミンやセロトニン)の化学的不均衡と、心の問題(不安や緊張)とが絡み合って症状が出ていると考えられています。ですから、親が症状を気にして止めさせようとすると、それがストレスになって、かえって病状が悪化することもあります。

いじめなど、ストレスの原因がはっきりとある場合には解決してあげる必要がありますが、「いつか治る」という気楽な気持ちで接することが一番です。もし、それが上手く出来ていないと感じるなら「鍼灸」を薦めます。

鍼灸は子供のチックによく適応します。東洋医学の立場から診察すると、治療すべき点がいろいろとあります。

一番重症のトゥーレット障害の場合でも、その大多数は思春期が終る頃、症状は消失していきます。しかし、社会生活にいろいろな障害が生じる場合や、この疾患によるストレスが大きくなり、より深刻な病態に発展していく様な場合には、薬物による脳内伝達物質の調整が必要になります。

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