家庭で出来るお灸

家庭の医療としての「灸」を考える時、一番の問題は“どこにすえるか”ということです。経穴は沢山ありますから、その中から効く“ツボ”を見つけるのは、なかなか難しいと思います。

 

そこで、参考にしたらよいと思うのが、「特効穴」と「阿是穴(あぜけつ)」です。

 

「特効穴」は多くの臨床の積み重ねから生まれた、特定の疾患に効く経穴です。

 

例えば後鼻漏に「上星」

 

例えば動悸、頻脈に「だん中」と「神道」の閂(かんぬき)

 

 

例えば膀胱炎に「三陰交」と「懸鐘」の閂

 

例えば中耳炎に「然谷」

 

 

例えばネフローゼに「失眠」

 

 

例えば便秘に「神門」

 

 

その他にも、歯槽膿漏に女膝、逆子に至陰、脱肛に百会、孔最、胃痙攣に梁丘、食あたりに裏内庭などなど、多くの治験が残されています。

 

”灸の本“やネットに多くの情報が有りますから、参考にすると良いでしょう。

 

経穴を決めたら、その位置を特定します。他人の反応点を探るのは難しいと思いますが、自分自身の“ツボ”の位置は比較的簡単に取れます。

 

押して痛みのあるところ、響く感じがあるところなど、その経穴の周囲を探ってみて、他とは違う感覚があるところです。

 

次に、「阿是穴」というのは経脈上の経穴ではなく、反応している所に”ツボ”を取ります。

例えば、手術後の傷や捻挫の後遺症で、いつまでも痛みが取れない時、その痛い点を治療点とします。

 

ひょうそうや巻き爪には化膿部、胼胝や魚の目には、患部に直接大きめの灸をしますが、熱くなく、即、痛みがとれます。

 

また、胃の具合が悪い時に鳩尾(みぞおち)の辺りを探ると、動悸がして“おぇ”となる点があります。そこが「阿是穴」です。

 

「阿是穴」は、家庭の灸治療では、とても良い治療点です。

 

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