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これは、とても難しい質問です。「なぜ効くか」良く分からないけれど、実際に効くから効くのです、としか言いようがありません。 約、四千年前に誕生したと言われる鍼灸(しんきゅう)は、臨床医学として発展してきました。
ある特定の部位を暖めたり押したりすると、痛みが止まったり、症状が収まったりした事柄の一つ一つの積み重ねが、 経穴(つぼ)を発見し、 その経穴を刺激するうちに、内臓と結ぶ経絡(けいらく)の存在を『気』の走行として
認識していったものと思われます。 『気』の存在は、電気抵抗の形で多少認識されていますが、その実態は解明されていません。 電磁波や光の様なものではないかと思いますが、「近代科学の方法」で、いづれは解明されるのか、 また、別の「科学の方法」が必要なのか、分かりません。 現在、日本の一般社会では、「気」は、まだまだオカルト的なものですが、 日々、臨床に携わる者にとっては、『気』は確かな存在です。 中国では、東洋医学の基本概念を、陰陽五行論で完全に理論化する事によって、その治効理論を確立し、すべての鍼灸医が、同じ土俵の上で臨 床し、検証出来るという羨ましい環境を造り上げています。 「中医学」と呼ばれるこの理論は、『気』はもとより、経絡や経穴は疑いようもなく、厳然として存在しているものという 前提に立った理論です。 ですから、日本の様に、『気』そのものの存在すら認められていない状態では、 羨ましいと思いながらも、なかなか浸透しにくい理論です。 中国の、歴史に根ざしたしっかりとした鍼灸医学への信頼が、この理論を可能にしているのです。 勿論、この理論は一つの方法論であって、完全無比なものではありませんし、問題点もあります。しかし、個人の技の伝承に終始しがちな鍼灸界にあって、広く、多くの臨床を検証できる、数少ない方法には違いないのです。 中国における、国を挙げての臨床、検証が途切れることなく続けられてきた結果、東洋医学は西洋医学と比較して、 勝るとも劣らない医学であ ると認められています。 「攻めの医学=西洋医学」と「守りの医学=東洋医学」を、患者さんの病状によって選択出来る中国のシステムは、少なくとも現時点においては、 医療の最も良い形だと思い ます。 もう一つの鍼灸の治効理論は、『はり・きゅう』を一つの刺激療法とみなして、 現代医学的な説明をする方法です。 その代表的なものが「内臓体表反射」による説明です。 これは、内臓に異常があると、その異常が神経系を通して、 その内臓とつながりがある皮膚や筋肉に変化が現れるという説です。例えば、「内臓知覚反射」は、異常のある内臓と関連する皮膚の知覚が過敏になり、「しびれ」や「痛み」が現れます。 あるいは、筋肉に反射して緊張や収縮を引き起こし、「しこり」や「こり」を作るものを「内蔵運動反射」といいます。 また「内臓自律神経反射」は、内臓の異常が汗腺・皮脂腺・立毛筋などに影響が出て、 皮膚がかさついたり、鳥肌が立ったり、しみが出たりします。 「内臓体表反射」は、多くの生理学者によって定説化されていますが、身体の内部と表面が神経反射によって 密接につながっていることから、逆に、身体の表面を刺激することによって内臓に影響を与えられるとする 「体表内臓反射」が可能になります。 これが、体表にある経穴を刺激する事によって、内臓の異常を正常化し ようとする『はり・きゅう』の近代医学的説明です。 その他、なぜ「鍼灸」が効くのかという科学的考察は、「ストレス学説」「ゲ−トコントロ−ル説」など、
理屈はともかく、効くものは効くのです。 |
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