神経痛とは、末梢神経が興奮状態になって、その走行に沿って、痛みが電撃様に走るものをいいます。基本的には、片側だけに症状が出ます。
神経痛には、原因のはっきりしないものと、何らかの原因がある症候性の神経痛があります。もとの病気がある場合は、当然その疾患も平行して治療しますが、癌を除けば、『はり・きゅう』は、全てに適応します。
坐骨神経痛は、片側のお尻の一点から大腿、下腿にかけて鋭い痛みが走るのが特徴です。原因の分からないものもありますが、ほとんどは椎間板ヘルニアが関係しています。椎間板ヘルニアをきちんと治療しないで、ほって置くと、坐骨神経に沿った痛みがひどくなってきます。足の先に行くほど病は深く、治り難くなります。
西洋医学では、鎮痛剤、麻痺剤で症状を抑える治療が主になりますが、対処療法のため、一時的に痛みが取れても疲れたり冷えたりすると再発して、持病の様になりがちです。それでもなお痛みが消えない時は、神経ブロックや手術をしますが、ひきつれ感や痺れなどの後遺症が残る場合もあるので、慎重にすべきです。
坐骨神経痛は、鍼灸が最も適応する疾患のひとつです。特に『きゅう』は、自宅で出来る上に、完治させる力があります。根本的に治すには鍼灸が一番だと思います。
後頭神経痛は、締められる様なぴりぴりする激しい痛みが、初めは後頭部に出て、段々、こめかみの辺りまで痛くなります。軽く触れると電撃様の痛みが走る事もあります。鎮痛剤が効かない場合が多く、西洋医学では治し難い疾患の一つです。『はり・きゅう』では、初期ならば1〜3回の治療でよく、こじれていても一日一日、目に見えて良くなっていく比較的簡単な疾患です。
肋間神経痛は、胸髄から出て胸腹部に分布している知覚神経で、圧迫刺激されて痛みが出るわけですが、原因は、よく分かっていません。しかし、冷えと疲労が誘因である事は間違いありませんから、片方の肋骨辺に、いやな感じが出た時には、とりあえず温めて下さい。『はり・きゅう』では、2〜3回の治療で簡単に治る疾患の一つです。
三叉神経痛は、顔面に分布する三枝の知覚神経に沿って、電撃様、あるいは鍼を刺した様な強い痛みが走ります。脳底部の小動脈が硬くなって神経を圧迫している為と言われますが、ストレスや片側だけが冷えた時などにも、発症します。西洋医学では、抗けいれん剤が処方されますが、よく効きます。もし、改善されないようであれば『はり・きゅう』を、試してみて下さい。他の神経痛よりは、少し、治りにくい感じがします。
帯状疱疹後神経痛は、帯状疱疹後に神経痛様の痛みが残ってしまうものを言います。三ヶ月経っても痛みが続く時は、この疾患と考えて間違いないでしょう。不愉快な痛みが毎日あり、その上、軽く触った時などに電撃様の痛み走ります。痛みの程度は軽いものから、夜も眠れない程まであります。西洋医学では、薬、ブロック、レーザーなどがありますが、皮膚症状が消えても痛みが残るようならば、すぐ『はり・きゅう』をして下さい。副作用も無く、治癒率は一番高いと思います。しかし、一年以上経ったものは、多少痛みが軽減される程度で、ほとんど治りません。その場合にはイオントフォーレシス療法が良いと言われています。
帯状疱疹は、水ぼうそうのウィルスによっておこります。水ぼうそうが治った後、神経節に潜んでいたウィルスが、免疫力の低下などをきっかけとして、表に暴れ出ておこります。最近では抗ウィルス薬が開発されていますから、出来るだけ早い時期に処方してもらうと良いでしょう。『はり・きゅう』では、疱疹に、糸のように小さな灸(糸状灸)を、直接すえていきますが、これで神経痛の痛みも一緒にとれて、実によく効きます。皮膚症状が良くなると痛みも同時にとれてきますが、灸をすると、水ぶくれが早く乾いて、かなり速く治ります。
大体一ヶ月位すれば、痛みは勿論、違和感もなくなるのが普通ですが、中には神経痛が残ってしまう場合もあります。五十歳以上の人は気を付けて下さい。甘く見ないで、消化の良いものを食べ、睡眠を充分にとり、ストレスを避け、免疫力を落とさない事です。風呂はかさぶたが充分乾いてからが無難です。そして、絶対に冷やさない事です。帯状疱疹後神経痛は辛い疾患です。ほんの1〜2ヶ月で良いのですから、充分に養生してください。