熱が出た時

子供は、色々な病気で熱を出します。

熱は病気と闘っている結果として出ているだけなのですから、熱があっても、そこそこに元気があって、食欲があれば、まず心配は無いと思います。

熱を出して、自分自身の力で病気と戦っているのです。この戦う力が免疫力を高め、自然治癒力を増やし、丈夫な身体を作っていくのです。ですから、熱を下げる事のみを目的にしてはいけません。

最近では、熱は、体温を上げて免疫力を高めようとする自然な働きによるものとして、安易な解熱剤の投与は控える方向です。熱が出て、すぐに解熱剤を使ってしまったら、病気の本当の姿が分からなくなってしまいます。

発熱は身体の正常な防御反応です。落ち着いて、他にどんな症状が有るか、よく観察して下さい。熱自体が脳や身体に損傷を与える事は、めったに有りませんから、薬を使うのは、少しだけ様子を見てからにしましょう。

乳幼児の発熱の原因の多くは、ウィルスなどの感染によるものですが、ほとんどの場合、適切な手当をすれば自然に治ります。但し、高い熱が何日も続くと、小さい子は体力を消耗しますから、その時は解熱剤も必要になります。

~熱が出た時の手当~

1. お風呂は控えましょう。どうしてもの時は、シャワーでさっと・・・。
2. 便秘をしている時は出します。浣腸が良いですが、それほど高い熱でなければ、すりおろしリンゴなどで様子をみます。
3. 身体を触ってみて、冷えている所があったら、手をあてて温めてあげてください。
4. 外の風に当てないこと。
5. 肉類や高カロリーの物、身体を冷やす物は食べさせないこと。
6. 乳幼児はすぐ脱水状態になります。水分の補給は非常に重要です。乳幼児イオン飲料を使うと効果的です。

~乳幼児はすぐ脱水状態になります。水分の補給は非常に重要です~

~心配な発熱~

1. 生後3ケ月までの乳児の場合。
2. 反応が鈍く、ぐったりしている。
3. 激しい痛みがある。(頭痛・腹痛・喉・耳など)
4. 熱と共に嘔吐を繰り返す。乳幼児はよく吐きますが、水も飲めないくらい激しい時は、重い病気かもしれません。脱水も心配です。
5. 熱が高いのに、顔色が青い。
6. 呼吸が苦しい時。呼吸数が異常に増え、チアノーゼになります。
7. 一度解熱して、再び急に高い熱が出た時。色々な合併症が考えられます。
8. 発疹が出た時。伝染性の疾患かもしれません。
9. 4日以上、39度台の熱が続いている。

~このような時は、お医者さんに診てもらって下さい。~

~脈拍の測り方~

こめかみ、手首、首の付け根など、はっきりと脈打っている所に、人差し指、中指、薬指の3本をそろえて、軽く当てて測ります。急いでいる時には、15秒間測って4倍する方法もあります。

~呼吸数の測り方~

寝ている状態で、みぞおちの上下運動を1分間測ります。上下で1回と数えます。赤ちゃんは基本的に腹式呼吸なので、眠っている時に、みぞおちからお臍の辺りに軽く手を置いて、おなかが上下する動きを数えると測りやすいです。

~体温も含めて、元気な時に測って、普段の状態を把握しておくと安心ですね。~

 

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