Q4.針を刺して危険なことはないですか?

 
A.免許がある鍼灸師なら問題ありません。

~鍼をして危険なことと言えば、「折針」と「気胸」があります~

「折針」は、針の材質が鉄だった時代には少なからずあったと聞いています。現在の材質はステンレス、金、銀などですが、弾力性があり、通常の鍼治療では曲がる事はあっても折れることはありません。

ただ、電気針では通電によって金属疲労を起こし、折針事故を起こしたという記録があります。

鍼灸の針は先端が丸くなっていて、組織を傷つけることなく刺入できる様になっています。もし万が一、刺入した針が折れて先端が身体の中に取り残されたとしても、問題は無いと断言できるほど安全な形をしています。

現在では余りしませんが、「埋没療法」という鍼治療があります。これは金の針を刺入して、皮膚から出ている部分を切断して先端部分は身体の中に埋め込んでしまうという治療法ですが、しばらくすると筋肉に馴染んで動かなくなります。特に支障はないようです。

「自然気胸」は胸膜に穴があいた為に胸腔内に空気が流入し、その圧力で肺がぺしゃんこになってしまう疾患です。主な症状は胸痛と呼吸困難です。鍼治療には深く刺してはいけない部分や、刺してはいけない方向があります。それは主に、この気胸に対する用心の為です。

鍼灸師になる為には、3年ほど鍼灸学校へ行った後、国家試験を受けて合格すれば免許が取得出来ます。この間に鍼の禁忌を勉強しますので、一応安全に鍼を刺せる様にはなります。

肩背、背上部に鍼を深刺しする時には十分な注意が必要ですが、危険な事は承知していますのであまり自信の無い鍼灸師はしません。ですから、ある意味では安心していいと思います。

なお、ほとんどの自然気胸は安静にしていれば自然治癒します。

Q&A一覧へ戻る