乗り物酔い

乗り物酔いは、乗り物の持続的な振動、また、加速、減速、カーブなどの不規則な揺れによって、三半規管、特に耳石器系が刺激された結果、引き起こされる自律神経の失調状態です。

医学的には動揺病または加速度病と呼ばれています。

最初に顎関節の辺りが固くなり、生唾がわいてきます。次いで、胸がムカムカして気分が悪くなり、吐き気がしてきます。吐いても、あまり楽にはなりませんが、乗り物から降りてしまえば、それほど時間がかからず、スッキリしてしまします。

酔いやすさには個人差がありますが、成長期の5歳〜15歳が多く、15歳以降は年齢を重ねるごとに少なくなる傾向です。丁度、小中学生時代で、遠足や修学旅行など楽しい時期、乗り物酔いは辛いですね。

当院には、旅行の前に「乗り物酔いの鍼」の為にのみ、来院される方が何人かいらっしゃいます。特に小学生は、酔い止めの薬を服用すると余計気持ち悪くなったり、ずーっと眠ってしまったりする事が多いので、必ず鍼を入れに来ます。

乗り物で、必ず酔う経験をしていると、「酔うのではないか?」という不安が大きく影響しているようです。鍼は「お守りの役割」も、しているかもしれません。

一般的には「酔い止めのつぼ」は「内関」を使いますが、専門的には、胃腸の機能向上、自律神経系の調整、加えて、足の肝系の経穴に「置き針」をしておきますと、酔わずにすみます。

これは、幼児からお年寄りに至るまで、例外なく効きます。「鍼灸」の効用は、肩凝りや腰痛のみと思っている人が多いのですが、この酔い止めの「はり」は非常に効くものの一つです。

楽しいはずの旅行も、乗り物に酔っては苦痛です。酔い止めの薬が合わない人には、とてもよいと思います。重症の場合は、旅行の前に2回の治療が必要です。

自分の症状を探すへ戻る