変形性膝関節炎

膝の上にある大腿骨と、膝の下にある脛骨が接する部分を膝関節と云います。

膝関節は硬い骨どうしが直接ぶつからない様に、滑らかで弾力のある関節軟骨という組織で覆われています。この関節軟骨がざらついてきて、充分にその機能を果せなくなった状態が変形性膝関節炎です。

以前は老化現象のひとつと見なされていましたが、現在は軟骨組織を形成する軟骨細胞の異常が引き起こす現象といわれています。

その原因は老化のほか、遺伝的体質、筋力の低下、酷使、O脚、外傷、肥満など、膝に過度の負担がかかる事があげられますが、よく分からない部分もあります。

症状は、いろいろなパターンがありますが、一般的には当初は正座した後に膝が伸びにくい感じがします。その後しばらくして階段の下りが痛くなり、次いで上りも痛くなります。その内に坂道が痛くなり、平坦の道も痛くなります。

変形性膝関節炎がある時に膝に負担をかけすぎると、関節軟骨が壊れ、壊れた軟骨の微少なかけらなどが滑膜を刺激して炎症を引き起こします。

結果、有害物を排除するために、リンパ球や白血球を含む関節液の分泌を過剰に促します。いわゆる「膝に水が溜まる」という状態です。

こうなると、寝ていても痛みや重だるさがあります。水を抜くと痛みは劇的に取れますが、変形性膝関節炎が治っている訳ではないので、また溜まります。

炎症がある場合の「鍼灸治療」は過剰な関節液を自然吸収させる治療をしますが、かなり時間がかかります。その間、膝への負担を出来るだけ減らし、再び分泌液が溜まらない様にしなければなりません。

変形性関節炎の鍼灸治療は、炎症が起きる前が効率的です。初期で、炎症が出ていない時に「鍼灸」をすれば痛みはすぐに取れます。しかし、関節症は少しずつ確実に進行しますから、ぜひ「自分でお灸」をして、しっかりと治すことを勧めます。

当院では、正座がきちんと出来ることを目的に治療していますが、あまり変形が高度だと手術しか方法が無くなります。初期のうちに治すことが大事です。

痛みが取れたら保持筋肉を鍛えますが、運動を急に沢山すると炎症が起きてしまうので、徐々にゆっくりと進めていく注意が必要です。

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