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メニエール病とメニエール症候群

━メニエール病━


内耳の奥にある三半規管や蝸牛の中は、リンパ液に満たされていて、その振動や流れ方によって、音を感じたり、身体のバランスをとったりしています。

通常、内耳のリンパ液の産生と吸収は、自律的に行われていて、その量は、常に一定に保たれています。

この産生と吸収のバランスが崩れて、蝸牛管の中のリンパ液が増え過ぎると、内圧が高くなって「めまい」が起こります。これがメニエール病です。

その原因は分かっていませんが、ひとつには、ストレスによる自律神経系の乱れがあると思われます。

症状は、発作的で、そのめまいは、一方方向にグルグルと回転するのが特徴です。立っていられないほど激しく、数十分から数時間続きます。 同時に低音部の難聴、耳鳴り、耳閉感を伴うこともあります。

西洋医学では、内耳の診断基準(内リンパ浮腫の存在)は、きちんと整備されていますが、根本治療は無く、対処療法に終始しています。

この病気自体は、それほど怖いものではありませんが、めまいの発作を繰り返すため、仕事に差し支え、社会生活が困難になります。将来への不安から「うつ状態」になることも多く、それが又、めまいを誘発する悪循環に陥ります。

また、メニエール発作を繰り返す度に、難聴の程度が悪化する傾向があるので、ぜひ早いうちに完治させるべきです。

東洋医学では、「めまい」は昔から「水毒(水分代謝障害)」に因るといわれ、それに対応した治療をしますが、著効があります。

この疾患は、精神的ストレス・胃腸の機能低下・自律神経失調・頸部の凝りなどが合わさっていますが、もともとの水分代謝の悪い体質が大きく作用します。この水毒体質を改善しないとメニエール病は治りません。 しかし、体質を変えるには、少し時間がかかります。取りあえず、発作を誘発するお茶・果物の摂り過ぎや、うつむき加減の姿勢を長時間続けない様に注意し、メニエール発作が起こらない様にします。

「鍼灸治療」と、これらの日常生活の注意で、症状は完全に抑えこむことが出来ます。後は、じっくりと水毒体質を改善していきましょう。「自分でお灸」で充分対応できます。


━メニエール症候群━


めまいや耳鳴りなど、メニエール病と症状が似ていても、メニエール病の診断基準(内耳のリンパ浮腫の存在)に合わない病気が数多くあります。それらをまとめて、メニエールに似た症状があるという意味で、メニエール症候群と言われています。

もっとも、眩暈が有れば、何でもメニエール症候群という傾向があるため、最近では、それぞれの病気の診断をきちんとして、症候群などという曖昧な呼び方は無くしていこうという方向です。

確かに、めまいと吐き気、めまいと頭痛など、メニエール病の症状とは別の症状が主の場合には、様々な病気が考えられます。耳の病気、脳の病気、循環系の障害、低血糖、低血圧、貧血など、それぞれの病気を治療する必要があるでしょう。

しかし、メニエール病と同様のめまい、耳鳴り、難聴、耳閉の症状があるのに、内耳のリンパ浮腫を認められない場合、また、他の検査でも異状が見当たらない場合には、「メニエール症候群」が、とりあえずは便利な表現のように思います。

前回のブログ「メニエール病」の項で、メニエール病の根底には水分代謝異常があると述べました。一方、メニエール症候群では、水毒体質に加えて、自律神経、ホルモンバランス、頸椎疲労、胃弱など、様々な要因がからんでいます。

東洋医学の利点は、身体を診て、異常な個所が有れば、そこを治療することで症状をとり、病気を治せる点にあります。

メニエール症候群にも、あるべきところに、あるべき異常な反応を見つける事ができます。それは頸部にある凝りです。ほとんどの患者さんに例外なく、後頭部と首の境の辺りと首筋から肩にかけて、大きな硬結があります。

揉み解そうと、マッサージや指圧をする場合が多いのですが、却って、組織を壊して、硬くしてしまっています。揉むときは物足りない位にして下さい。温湿布が安全です。

「鍼灸」は頸部の硬結を和らげ、胃腸機能の回復、自律神経系の調整を合わせて行い、めまい、耳閉感を取り除きます。

耳鳴りは「キーン」や「ピー」の高い音は治りやすく、モーター音の様な持続する低い音は治りにくい傾向があります。難聴を伴う場合は、めまいを繰り返すごとに、レベルが下がっていきます。めまいだけでなく、耳の症状を伴う時には、特に鍼灸を勧めます。  


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