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不妊症
不妊症の定義は「避妊をしていないのに2年以上にわたって妊娠に至れない状態」となっています。(世界保健機関による)

不妊症の原因には色々あります。女性側では、卵子の老化、高プロラクチン血症、卵管の通過障害、無排卵、子宮及び子宮内膜の障害、子宮頸管及び粘液の異常などがあります。

「鍼灸」の適応症は、原因がはっきりしない機能性不妊ですが、鍼灸治療のよって骨盤内の機能が良くなり、様々な障害が取り除かれる事が多々あります。

東洋医学の方法で不妊症を診察すると「血(おけつ)」「水毒」など、現代医学的診方とは別の、色々な問題が見えてきます。これらの証に対して鍼灸治療をすると、血行が促進され、冷え症が改善され、卵巣・子宮をはじめ、身体全体の機能が良くなります。

西洋医学の不妊治療は目覚しい発展をしています。今まで、良く分からなかった受胎のメカニズムも、本当に細かい所まで分かるようになりました。西洋医学での不妊克服は、一つ一つの障害を、直接的な方法(卵管通水法、腹腔鏡手術など)や、薬物療法などで取り除いたり、補ったりして行なわれます

また体外受精では、より成熟した卵子と精子を選び出して立派な受精卵を作り、子宮内膜の状態をチェックした上で体内に戻されます。この時点でも、理想的な環境を創りだす為に、色々な薬剤での治療が行われます。

しかし、そこまでしても着床しない、あるいは着床しても育たない場合が少なくありません。

妊娠は、非常に大雑把な部分と、神業とも思える絶妙のバランスとタイミングが働かなければならない部分があります。

例えば、かなり重い病気にかかっていても妊娠しますし、母体が栄養失調でやせ細っていても、丸々とした元気な赤ちゃんが出てきたりします。また、健康で元気一杯、どこも悪いところが無いのに、赤ちゃんが出来ない事もよくあります。

妊娠自体は、生物であれば、皆に備わった、ごく基本的な能力であろうと思います。しかし、他方、無意識のうちに自律的に行われる、各ホルモンの微妙で適切な働きが不可欠なのではないでしょうか。

私たちの身体は、自律神経によって、ほとんどの働きが統制されています。それは、私たちが意識する、しないにかかわらず、自分自身のために、より良く働こうとしてくれます。それは、感嘆するほど、うまく出来ています。

現代人は自然に即した生活が、出来にくくなっています。東洋医学の原典『黄帝内経素問』には自然と人間の深いつながりについて書かれています。人間は自然と一体であり、共に大宇宙の一部です。

先進国で不妊が増えているのは、人工的な生活が自律神経を傷つけ、神業ともいえる絶妙なバランスを、崩しているからではないでしょうか。


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