鍼灸の歴史

 

今から6千年前、新石器時代の仰韶(ヤンシャオ)文化から石や骨で作った「針」が見つかり、さらにその後、紀元前千六百年位前の殷の時代の遺跡から銅や青銅で作った医療用の「鍼」が発掘されました。

「鍼治療」は、はるか昔の石器時代から存在していたと考えられます。

「鍼灸」は古来より多くの臨床を経て受け継がれ、紀元前202年に初の「鍼灸」の書「黄帝内経」として確立されました。それが現在に至り、金属製の鍼でツボを刺激し、身体の免疫システムを整えるという医療技術として発展してきました。

東洋医学は数千年もの間、人間の身体を実験台に徹底的に臨床し、経験を積み重ねて確立した医学です。その中から生まれた医療技術の一つ、それが「鍼灸」です。

明治28年、日本は「西洋医学」を国の主たる医療に指定し、東洋の伝統医学である「漢方」を捨て去りました。強力で能率的な医療の発展が、富国強兵を考えていた当時の日本国の方針でした。

しかし、現代医学の現状は、薬の副作用・耐性菌・医源病・医療過誤・院内感染など様々な問題が噴出しています。東洋の医学を捨て去ってしまった損失は、大きかったように思います。

例えば、抗生物質先進国である北欧諸国では小児の中耳炎が治らなくなっています。 抗生剤の使い過ぎによって、耐性菌による中耳炎が増えた為です。 最近、日本でも問題になっています。

「鍼灸」には「小児はり」という治療術があり、一般的な小児の疾患に効果があります。

急性の中耳炎に抗生剤を使用するにしても、何度も繰り返す慢性の中耳炎には、そんな薬は必要ありません。気持ちの良い5分程度の「小児はり」治療で、十分に対応します。その上、繰り返さなくなる利点があります。これなどは、ほんの一例です。

「鍼灸」は、現代医療の欠点を補える力を持っています。

「鍼灸」は現代医学が苦手とする、病気の予防、神経系の疾患、アレルギ−疾患、老化による疾患、病名のつかない疾患などに、特に効果を発揮する医療です。

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