帯状疱疹

帯状疱疹は、水ぼうそうのウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルスが原因でおこります。水ぼうそうが治った後、神経根に潜んでいたウイルスが免疫力の低下などをきっかけとして表に暴れ出ておこります。

以前は比較的高齢者における発症率が高く、体力や免疫力の低下が誘因とされてきましたが、近年では20~30歳代での発症が増えていることから、ストレスも発症誘発要因の一つとされています。

まず身体の片側に神経痛のような痛みが起こり、その4、5日後に同部位に虫に刺されたような赤い発疹ができ、次第に水疱に変わります。その後、水疱が化膿し、かさぶたになって約3週間くらいで治ります。ウイルスは神経を触りながら水ぶくれをつくるので痛みを感じます。

肋間神経(胸部)、坐骨神経(腰部)、三叉神経(顔面)などの神経系に沿って、ピリピリした痛みと水ぶくれ様の発疹が身体の片側に出た時には、すぐ皮膚科を受診して下さい。抗ウイルス薬が開発されています。

しかし、膿疱や潰瘍ができる時期になると抗ウイルス薬は効かなくなります。特に目と耳を結ぶ線上に発疹ができた時は、角膜に穴があいて失明する危険性があります。すぐに眼科を受診して下さい。

大体2~3週間もすれば、疱疹も乾き、痛みも違和感も無くなるのが普通です。ただ、あまり皮膚症状が酷いと跡になりますから、なるべく水ぶくれを破らない様にして細菌感染を防ぎます。お風呂は、かさぶたが乾くまでは湯船に浸からず、シャワーが安心です。

「鍼灸」では、疱疹に、糸のように小さな灸(糸状灸)を直接すえていきますが、これで疱疹の水ぶくれが早く乾いて、かなり速く治ります。灸痕は残りません。早い時期に、「お灸」で治療すると疱疹が広がらず、また潰瘍を作らない為、瘢痕が残りません。

若い人にとっては、ほとんど心配のない疾患ですが、50歳以上の人は、帯状疱疹後神経痛になる危険性があります。

帯状疱疹後神経痛とは、皮膚症状が消えた後も、神経痛様の痛みが残ってしまう疾患です。最悪の場合、その痛みは半永久的で止むことがありません。疱疹が治っているのに痛みが取れない時には、すぐ「鍼灸」をして下さい。

年齢が高く、体力が落ちていると感じていたら、初期の段階で「鍼灸」を併用して下さい。帯状疱疹後神経痛は確実に防げます。

自分の症状を探すへ戻る