Q2.「きゅう」は熱くないですか?

 
A.我慢できないような熱さはありません。

おじいさんやおばあさんの背中に残っている、大きな灸あとを見たことのある人は、「灸」は熱いというイメージがあると思います。これは「打膿灸」というお灸で、大きな艾(もぐさ)を使って故意に火傷を作り、火傷の跡から膿を排出させて治療する方法です。

慢性病にはとても良く効く灸法ですが、とんでもなく熱いので、現在では特に希望がある場合でなければしません。

小さな灸でも十分に効果があるので、する必要がないのです。現在でも寺などで、この様な灸をしている所もありますが、治療というよりも精神修養的な意味合いが強いです。

皮膚に直接すえる場合は、ごま粒の半分くらいの極小さなものを使います。小さくても火は点くわけですから、多少の熱さはありますが心配はいりません。熱く感じさせない技があります。

熱さも痛さも感じ方には個人差がありますから、少しでも不愉快な感じがないように、艾を糸のように細く小さく切る「糸状灸」から始めます。

通常は少し”ちくっ”とするくらいが、気持ちよ良いようです。また、直接すえる必要がない場合や跡をつけたくない場合には、灸点紙というシートの上からします。

~あまり熱くないのは何故ですか?~

あまり熱くない理由の一番は、艾の燃焼温度が低いからです。艾はヨモギの繊維ですが、燃焼温度が低い為に皮膚を傷めることなく、何壮もすえる事が出来ます。

普通、火傷の跡はツルツルになって毛根が駄目になってしまいますが、灸の火傷は逆によく毛が生えてきますので、円形脱毛症の治療には脱毛部に直接灸をします。

これも、艾の燃焼温度が低いので、組織には損傷を与えず、丁度良い程度の刺激になっているわけです。

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