不眠症

不眠は病気ではありません。眠れない為に、または眠れないと思っている為に生活の質が落ちて支障が生じる時、「不眠症」という呼び方をします。

病気の苦痛の為に眠れないという明確な原因があるものは少数で、特にこれといった理由が無い生理的睡眠障害が60%を占めるといわれています。

神経痛などの患者さんが痛みで何日も眠れず、全身が疲れている場合がよくあります。治療後、神経痛の痛みはまだ取れていなくても、「昨晩は、何日かぶりで良く眠れた」と喜ばれます。

~不眠のタイプ~

①入眠障害
なかなか寝つけないタイプ(心配性の人/高齢者)

②中途覚醒
途中で目が覚めて、その後眠れない。あるいは何度も目が覚めるタイプ(頻尿/高齢者)

③早朝覚醒
早朝に目が覚めてしまって、その後眠れないタイプ(うつ傾向/更年期/高齢者)

睡眠パターンは年をとるにしたがって変化します。高齢になるほど夜の睡眠が短くなり、昼間にうたた寝をする傾向があります。

これらの変化は正常なもので、睡眠障害ではありませんが、不眠だと思い込みがちです。一度自分の眠りに対してのこだわりを解放してみてはどうでしょうか?

睡眠障害は医学的な検査をしても、身体に異常があるわけではありません。しかし東洋医学の立場で診断すると、身体上に様々な異状があります。その異状を正す事が治療です。

「鍼灸」の不眠に対する経穴は沢山あり、「鍼灸」の得意とする分野です。治療当日の夜は、「良く眠れた。」と言われます。

不眠は、基本的には自律神経系の乱れです。交感神経は活動状態、副交感神経は休止状態、ふたつの神経系の切り替えがスムーズにいかない状態です。

日常生活の中で、自律神経を傷つけない自然に則した生活を心掛けてください。 

睡眠薬の長期使用によって依存傾向がみられる場合には、なかなか改善されないこともあります。鍼灸治療の効果を確認しながら、少しずつ薬の量を減らしていきます。

自分の症状を探すへ戻る