よくあるご質問

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  1. Q1.「はり」は痛くないですか?
  2. Q2.「きゅう」は熱くないですか?
  3. Q3.「はり・きゅう」は何故効くのですか?
  4. Q4.鍼で肝炎やエイズに感染しませんか?
  1. Q5.針を刺して危険なことはないですか?
  2. Q6.鍼灸はどんな病気に効果がありますか?
  3. Q7.何回ぐらい治療すれば治りますか?
  4. Q8.鍼灸は保険が効きますか?

Q.「はり・きゅう」は何故効くのですか?
A.理屈はともかく、効くものは効くのです。
これは、とても難しい質問です。「なぜ効くか」良く分からないけれど、実際に効くから効くのですとしか言いようがありません。

約四千年前に誕生したと言われる鍼灸(しんきゅう)は、臨床医学として発展してきました。ある特定の部位を暖めたり押したりすると痛みが止まったり、症状が収まったりした事柄の一つ一つの積み重ねが経穴(つぼ)を発見し、その経穴を刺激するうちに内臓と結ぶ経絡(けいらく)の存在を、『気』の走行として認識していったものと思われます。

鍼灸の真の意味での治効理論は『気』の解明抜きで語る事は出来ません。何故なら、鍼灸の基本理論は『気』の偏在が病気を作り、その偏在を正し『気』のバランスを整えることが、病気を治すというものであるからです。

『気』の存在は、電気抵抗の形で多少認識されていますが、その実態は解明されていません。電磁波や光の様なものではないかと思いますが、「近代科学の方法」で、いずれは解明されるのか、また別の「科学の方法」が必要なのか分かりません。現在日本の一般社会では『気』はまだまだオカルト的なものですが、日々臨床に携わる者にとっては『気』は確かな存在です。

中国では、東洋医学の基本概念を陰陽五行論で完全に理論化する事によって、その治効理論を確立し、全ての鍼灸医が同じ土俵の上で臨床し、検証出来るという羨ましい環境を造り上げています。

「中医学」と呼ばれるこの理論は、『気』はもとより、経絡や経穴は疑いようもなく、厳然として存在しているものという前提に立った理論です。ですから日本の様に、『気』そのものの存在すら認められていない状態では、羨ましいと思いながらもなかなか浸透しにくい理論です。中国の歴史に根ざしたしっかりとした鍼灸医学への信頼が、この理論を可能にしているのです。

勿論、この理論は一つの方法論であって、完全無比なものではありませんし、問題点もあります。しかし、個人の技の伝承に終始しがちな鍼灸界にあって、広く多くの臨床を検証できる、数少ない方法には違いないのです。

中国における、国を挙げての臨床・検証が途切れることなく続けられてきた結果、東洋医学は西洋医学と比較して、勝るとも劣らない医学であると認められています。「攻めの医学=西洋医学」と「守りの医学=東洋医学」を患者さんの病状によって選択出来る中国のシステムは、少なくとも現時点においては医療の最も良い形だと思います。

もう一つの鍼灸の治効理論は『鍼灸』を一つの刺激療法とみなして、現代医学的な説明をする方法です。

その代表的なものが、内臓体表反射による説明です。これは、内臓に異常があると、その異常が神経系を通して、その内臓とつながりがある皮膚や筋肉に変化が現れるという説です。

例えば「内臓知覚反射」は、異常のある内臓と関連する皮膚の知覚が過敏になり、「しびれ」や「痛み」が現れます。あるいは、筋肉に反射して緊張や収縮を引き起こし「しこり」や「こり」を作るものを「内蔵運動反射」といいます。また「内臓自律神経反射」は、内臓の異常が汗腺・皮脂腺・立毛筋などに影響が出て、皮膚がかさついたり、鳥肌が立ったり、しみが出たりします。

「内臓体表反射」は、多くの生理学者によって定説化されていますが、身体の内部と表面が神経反射によって密接につながっていることから、逆に身体の表面を刺激することによって内臓に影響を与えられるとする体表内臓反射が可能になります。

これが、体表にある経穴を刺激する事によって、内臓の異常を正常化しようとする『鍼灸』の近代医学的説明です。

その他、なぜ「鍼灸」が効くのかという科学的考察は、「ストレス学説」「ゲートコントロ−ル説」など様々な学説によって説明されています。しかし、絶対的且つ根本的な解明は『気』の解明以外には無いと思います。

ただ、どんなに非科学的と言われようとも、四千年の長き年月を淘汰されずに生き続ける東洋の医学に、西洋医学とは違う良さがあるのは事実です。

理屈はともかく、効くものは効くのです。