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脳過敏症候群
脳過敏症候群とは、2010年11月の日本頭痛学会総会で発表された論文「慢性頭痛の新しい概念:脳過敏症候群」(著者:清水俊彦、平田幸一)で提唱された新頭痛の病名です。
慢性化した脳の異常な興奮が引き起こす症状の総称と定義しています。長期間、偏頭痛などのしつこい頭痛を治さずに放置しておくと、脳が少しの刺激にも興奮しやすくなり、様々な症状が出ると述べています。
西洋医学では薬物中心の治療になりますが、過剰投与が懸念されています。
東洋医学サイドからこの疾患を診てみると、特に新しい病気ではありません。この様に多彩な症状を持つ患者さんは、「鍼灸」の治療を受けている場合が多いと思います。
現代医学では目が痛ければ眼科、耳鳴りがすれば耳鼻科など、専門が分かれていて、個々には異状が見つからない為、沢山の薬を投与されます。その薬の副作用でますます具合が悪くなって、「鍼灸」をしてみる人がいるのではないかと思います。
東洋医学では、病名は参考にはしますが、特に重要ではなく、頭痛、眩暈、吐き気、不眠、耳鳴り、不安など様々な症状から、複合的にどこに問題があるのかを診察します。
「鍼灸」の診断法は触診、色、匂い、脈などです。専門的にはもう少し複雑で、各流派によっても重要視する部分は微妙に違います。
脳過敏症候群様の症状を訴える患者さんの多くは、後頭部から首筋にかけて異常な反応があり、胃腸機能の低下がみられます。
また、下半身が冷え、のぼせがある場合もあります。これは東洋では逆気(ぎゃっ気)といい、気のバランスが崩れた状態です。現代医学で云うところの自律神経の乱れです。
頸部を緩め、気のバランスを整え、胃腸の調子を良くする治療で、多彩な症状は段々に取れていきます。
しかし、症状が取れても、元々の体質が有り、完治している訳ではありません。
季節の変わり目の気圧の変化、睡眠不足、暴飲暴食、過労などでまた発症する場合が多いですから、よく自分の体調管理をして下さい。